開発背景
油漏れは、軸受の寿命・信頼性を低下させるだけではなく、軸受部周囲への汚損による事故の原因ともなります。オイル漏れの防止方法としては、軸やロータ部などの軸受周りに、撥油剤を塗布することが常套手段ですが、人手によるコスト、異物の混入、撥油効果のばらつきといった問題がありました。また、既存のオイルシール(ゴム製)は接触タイプであるため、トルクの小さい小型モータ、高速回転仕様のモータなどには対応できませんでした。小型モータ、高速回転仕様のモータにも対応可能で、より簡単に撥油性能が得られる、
オイル漏れ防止方法が望まれていました。
オイル漏れ防止方法が望まれていました。
特長
- 焼結金属の多孔質構造を利用し、撥油剤を含浸させた、新しいタイプの「オイル漏れ防止シールキャップ」です。
- 軸と非接触であるため、低トルク、高速回転仕様のモータであっても、トルクロスの発生がありません。
- 軸受のハウジングに圧入するだけで、撥油効果が得られるため、工程の簡略化が期待できます。
- 粉末冶金法により、任意な形状と、高寸法精度化が可能です。軸とシールキャップのクリアランスは、撥油効果が得られ、
かつトルクロスが発生しない、最適な条件に設計可能です。 - 焼結シールキャップ及び焼結含油軸受の外径に、空気逃がし溝を設けることで、軸受ユニット内の内圧上昇を防止し、
オイルの噴出しを防止することができます。 - ELV、RoHS対応製品です。
用途
各種ディスク駆動用スピンドルモータ(CD、DVD)、LBPスキャナーモータ、軸流ファンモータ、DLP用カラーホイールモータ、その他、長寿命化、油による汚損の防止が課題であるモータ